今週のお題「最近読んでるもの」
最近読んでるもの、ということで、「小説版ドラえもん のび太と鉄人兵団」のことを書きます。
この映画の小説版は、2011年にリメイク版が上映されるのと同時期に発刊された、とのこと(文庫本のあとがきから)。
私が読んだのは、2022年に文庫化されたもの。
少し前に本屋で見かけてびっくりし、一気にレジまで持っていきました。
私はドラえもんの映画の中で鉄人兵団が1,2を争うほど好きなので、今でも時々読み返しているのです。
超有名な映画なので、ネタバレをある程度したうえであらすじを書きますと。
空から落ちてきたロボットのパーツを組み立て巨大ロボを作り上げはしゃいでいたのび太とドラえもんは、ロボが地球侵略と地球人奴隷化を目論むロボ軍団『鉄人兵団』の物だと知る。
鉄人兵団を誰もいない鏡の世界に誘い込み、侵略阻止のため壮絶な戦いを繰り広げる……というもの。
敵のロボット軍団を空気砲やショックガンでひたすら破壊する、というソリッドかつデストロイなバトル展開が、初めて見た幼少期の私に与えた印象は、
「スゲー!!ドラえもんカッコいー!!」
でした。
これが後半になると圧倒的に鉄人兵団に押され、絶望的なラストバトルから悲しい別れを経て勝利し、最後に未来への小さな希望が示される……。今DVDで見てもこの展開は壮絶だと思います。
※11/16追記。とにかく鉄人兵団が容赦なく、雑魚敵感がゼロ。超強かったのです(実際、インターネットでは『鉄人兵団が歴代映画史上最強』という意見がありました)。
小説版では、ドラえもん・のび太・スネ夫・ジャイアンが挑む絶望的なラストバトルが、静香とリルルの別れが、痛みや熱を伴う形でハードに描かれます。
もう、ビデオテープを何度も見た子供時代を思い出して感無量な内容となっているのです。
さらに小説版では、鉄人兵団以前の映画における冒険を登場人物が振り返るシーンがあるほか、
『のび太たちが冒険で家を留守にしてる間に、家族はどうしているのだろう?』
『世間の人は危機に気づかないの?』
という、視聴者が一度は気にするであろう疑問への描写もされています。
子供心に憧れた、
『鏡面世界のスーパーで、肉を好きなだけ持ち出してバーベキューをする』
シーンも楽しく描かれていて、この小説は幼少期の私の思い出を、新たな形で呼び起こしたのでした。
肉を食べたミクロスのその後とか、それぞれが過ごす夜のことも、小説で読んでみて
「ああ……あの夜にみんなは、こんなことを思っていたんだなあ」
と、思いを馳せずにはいられませんでした。
たぶん、この先も読み続けると思います。
鉄人兵団は私の思い出の冒険記でもあり、バトル物でもありますから。